これまでの研究テーマ

パルス強磁場中マイクロ計測手法の開発

 パルス磁場は簡便に強磁場を得ることができるため強力な実験的手段となるが、測定感度の点からは超伝導磁石と比べると劣るため試料体積など実験的な制約が多い。本研究ではパルス磁場領域でも1-10mgの微小試料磁気測定、あるいはmWオーダーの低抵抗試料の測定を可能にするために新しい測定手法の開発を行っている。具体的には、これまでにマイクロカンチレバーを用いたトルク計、マイクロファラデー磁力計、トンネルダイオードを用いた非接触抵抗測定装置など開発し、実際の測定に用いている。(詳しくは「装置開発」のページ)
 E. Ohmichi et al. RSI 75 (2004) 2094.
  E. Ohmichi and T. Osada, RSI 73 (2002) 3022.
  E. Ohmichi et al. RSI 72 (2001) 1914


  マイクロカンチレバー     マイクロファラデー磁力計



炭素置換MgB2の超伝導特性

新奇超伝導体MgB2において、B原子をC原子で置換すると転移温度は単調に減少するが、上部臨界磁場、不可逆磁場が大きく増大する。そのメカニズムを明らかにするためにトルク測定、侵入長測定を40Tまでのパルス強磁場領域まで調べた。
 E. Ohmichi et al. JPSJ 73 (2004) 2065.
  E. Ohmichi et al. PRB 70 (2004) in press.

左図は炭素置換MgB2の磁束相図。炭素を置換していくと転移温度は単調減少するが、不可逆磁場(Hirr)は約2倍まで増大する。またピーク効果に伴う磁束秩序-無秩序転移j磁場(Hp,Hon)が炭素置換とともに低磁場へとシフトする。



層状ルテニウム酸化物 Sr3Ru2O7、Ca3Ru2O7の強磁場物性

層状ルテニウム酸化物では、超伝導、反強磁性、強磁性など多彩な基底状態を示すことで知られる。ユニットセル内に2枚のRuO2面を持つSr3Ru2O7、Ca3Ru2O7の磁場誘起転移につい調べた。
 E. Ohmichi et al. PRB 67 (2003) 024432.
  E. Ohmichi et al. PRB 70 (2004) 104414.

左図はCa3Ru2O7において観測された巨大磁気抵抗効果。磁場方位をb軸からc軸へ傾けていった際の層間磁気抵抗の変化を示す。





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